2023/01/01歯垢と歯石の違いを徹底解説!歯石のない口腔内を目指しましょう。
皆様 こんにちは!
インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜、歯周治療うえの歯科医院
歯科医師の中曽根です。
年末年始のバタバタとした日々ですが、皆さまお口の中は大丈夫ですか?しっかりお掃除できていますか?
忙しいとつい雑な歯磨きになってしまいがちですが、そんなことが繰り返されるとしっかり歯垢は溜まっていきます。
そうなるとどうなってしまうのか、そもそもそのような状況にならないためにできることがあるのか。自分のお口の中を健康的に保っていくためにできることをたっぷりお伝えしていきますね!
◼️そもそも歯垢とは?
歯周病菌やむし歯菌などが大量に含まれる細菌の塊です。別名プラークとも呼ばれます。
食後およそ4~8時間ほどでこの歯垢が作られてしまうため、毎食後の歯みがきが大切です。逆に言えば、この段階でしっかり歯磨きを行うことができれば、歯垢は除去できるということです!
歯垢は1gあたり1000億個以上の細菌が詰まっていると言われています。
これを放っておくと菌の作った酸が歯の表面のエナメル質を溶かしてむし歯を発生させてしまうことがあります。また、歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)や歯と歯の間に溜まりやすいため、歯周病も進行します。
◼️歯垢と歯石の違い
◇歯石
一言で言えば歯垢が石灰化し硬くなったもののことで、歯みがきでみがき残した歯垢はおよそ2日間ほどで歯石へと変わってしまうと言われています。
そのため歯みがきがしにくい歯と歯茎の隙間や歯と歯の間にできやすく、歯石はその名前の通り石のように硬いため、一旦歯に付いてしまうと歯ブラシでは取れず、歯科医院で取り除いてもらわなければなりません。
歯石の約8割はリン酸カルシウムで、その他に細菌の死骸やたんぱく質、炭水化物などでできています。
歯と歯茎の境目よりも上(歯冠側)に付着している歯石のことを「歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)」と言い、歯と歯茎の境目よりも下(歯周ポケット内部の歯根面)に付着している歯石のことを「歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)」と言います。
◇歯肉縁上歯石
歯肉縁上歯石は、歯垢が唾液中に含まれるカルシウムやリン酸と反応して形成されます。色は黄白色で歯茎より上の部分に付着するため、目視でも歯石が付いているのが分かります。
◇歯肉縁下歯石
歯肉縁下歯石は、歯周ポケット内部の浸出液に含まれるミネラルによって歯垢が石灰化して形成されます。色は茶褐色または黒褐色をしていますが、歯周ポケット内部の歯根面に付着しており、通常は歯茎で隠れているため目視で見ることはできません。歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなっていき、ポケットの奥深くにまで歯肉縁下歯石が溜まるようになります。
◼️歯垢を爪で取っても良いのか?
こういった質問をいただくことがありますが、結論から申し上げますと、答えはNOです!
歯垢を爪で取ることによる影響としては以下のことが起こるリスクがあります。
・歯を傷つける
→歯垢を除去してもそれ以外の健康な歯まで気付かぬ間に傷つけている可能性があります。
・歯垢が再度付着する
→誤ったやり方で除去してもすぐに新しい歯垢ができます。
・歯茎を傷つける
→歯茎を傷つけると出血したり、歯周病になりやすくなります。
◼️歯垢の簡単な取り方
◇歯磨きを念入りに行う
日々のブラッシングをしっかり行うことで歯垢を落とし、磨き残しの歯垢が石灰化し歯石にならない環境を常に作っておくことが大切です。
また、歯ブラシだけで歯を磨いても、口腔内には約60~70%もの歯垢が残ってしまいます。つまり、実際には約30~40%しか磨けていないのです。歯と歯の隙間を綺麗にするのは歯ブラシだけでは難しいため、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助清掃用具や歯間清掃用具を併用することで、より適切に歯垢が除去できます!
◇マウスウォッシュなども併用
マウスウォッシュの活用でお口の細菌数も併せて減らしていきましょう。
◼️歯垢が歯石になってしまった場合の除去方法
歯石は歯垢と違い、石のように硬くなっているのでブラッシングで落とすことはできません。
歯科医院に受診してしっかり除去しましょう!
◇スケーラー
・ハンドスケーラー
手動で操作するスケーラーのことで、先端部分が鋭く尖っています。歯科医師や歯科衛生士が、ハンドスケーラーによる手技で歯周ポケットの内部や歯の裏側などに付着した歯石を物理的に取り除いていきます。
・超音波スケーラー
超音波振動によって歯石を除去するスケーラーです。歯根面にこびり付いた歯石を広範囲で除去するのに適しています。
◇SRP(スケーリングルートプレーニング)
歯周ポケットの奥深くにある歯石や、歯周病菌に汚染されたセメント質を除去する処置です。歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなっていきますが、一定以上の深さにある歯石などはスケーリングでは除去できなくなります。これを補う処置が、ルートプレーニングだと言えます。
深いところを触るため、麻酔をした上で行う場合もあります。
◇フラップ手術
歯周病の進行程度が中度以上だと、歯周ポケットはさらに深くなり、歯周ポケット内に治療機器が届かないケースが出てきます。この場合、奥深くに溜まったプラークや歯石を除去するためには歯根面を露出させる必要があり、そのためにおこなうのが「歯周外科処置(フラップ手術)」です。
今回は、歯垢と歯石の違いから除去方法も異なってくることをお伝えさせていただきました。
うえの歯科医院では歯垢・歯石除去に関することをサポートしていますので、お気軽にお問い合わせください。
一緒に健康的なお口の中を作っていきましょう!
【ブログ監修者】
医療法人VERITAS うえの歯科医院
理事長 上野友也
1993年 鶴見大学歯学部卒業
1995年 東京医科歯科大学歯学部医員研修医終了
1996年 鶴見大学第三補綴学講座臨床専科生
2000年 アストラテックインプラントベーシックコース修了
2002年 うえの歯科医院設立
2004年 医療法人ヴェリタスオーラルケアセンター設立
2008年 OSIインプラントアドバンスコース修了
2008年 JIADSペリオコース修了
2009年 JIADSエンドコース修了
2010年 JIADS補綴コース修了
2010年 JIADSペリオ&インプラントアドバンスコース修了
2012年 ニューヨーク大学CDE在籍
• 所 属
国際インプラント学会(ICOI)会員
日本顎咬合学会会員
財団法人プロスピーカー協力アシスタントプロスピーカー
OSI会員
JIADS会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
鶴見大学歯学部附属病院共同診療医
済生会東部病院共同診療医
横浜労災病院共同診療医
日本歯周病学会
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
鶴見大学歯学部歯周病学講座