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2023/08/13矯正治療中の滑舌について。

皆様 こんにちは!

インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜、歯周治療うえの歯科医院

歯科医師の中曽根です。


夏真っ盛り!

皆様はどんな夏をお過ごしですか?

暑さに体力を奪われるので、三食きちんと食べて、睡眠もしっかりとりましょう!


さて、本日のテーマは“矯正中の滑舌”です。

矯正治療中は滑舌が悪くなるのでは?と思い、矯正を悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

今回は矯正装置ごとの影響と滑舌が良くなるコツを解説します。


◼️矯正による滑舌への影響


矯正中のデメリットとして「矯正中は滑舌が悪くなる」という意見も見られます。個人差があるため断言はできませんが、残念ながら矯正中に滑舌が悪くなる人がいることは事実です。まずは矯正が滑舌に悪影響を与える原因についてわかりやすく解説します。


◇口や舌を動かしづらくなる可能性があるため


歯列矯正中は、口内に「ブラケット」と呼ばれる装置を取り付けたり、マウスピースを装着したりして歯並びを変化させます。とくにブラケットは歯列矯正を始める前に使う機会がなく、口内に違和感が生じる可能性を否定できません。この違和感が原因で口や舌を動かしづらくなり、滑舌に影響する場合があるのです。

人によっては矯正装置が粘膜に干渉し、口腔内が傷ついて痛みを感じたり、口内炎ができたりすることもあります。これを避けようとして、口や舌の動きを自分自身で制限してしまい、結果的に発音しにくくなるケースも少なくありません。


◇時間が経つにつれて慣れてくる


矯正装置の干渉が原因で口や舌を動かしづらくなる原因は、主に矯正装置の存在に慣れていないことにあります。時間が経つにつれて矯正装置のある状態に慣れていきますし、矯正装置と共存した状態で話すことにも慣れていくため、矯正が進むにつれて滑舌が回復する可能性もあるでしょう。

慣れるまでの期間にも個人差がありますが、約1~3週間ほどで感覚を掴める場合がほとんどです。ただし「楽器を吹く」「歌を歌う」といった繊細な調整が必要な行動をとる場合は適応できない可能性があるため、医師とよく相談して治療方針を決めましょう。


◼️矯正装置ごとに異なる滑舌への影響


歯列矯正は主に以下の3種類で、それぞれ矯正装置の内容・特徴が異なります。


<歯列矯正の種類>

表側矯正

裏側矯正

マウスピース矯正


それぞれの特徴と、治療が滑舌に与える影響について解説します。


◇表側矯正


表側矯正では歯の表面にワイヤー状の矯正装置を取り付けます。ワイヤーが滑舌に影響を与えることはほとんどありませんが、症例次第では上下の歯にゴムをかけなければなりません。これが原因で滑舌が悪くなる場合があるほか、矯正装置は治療完了まで取り外せないため注意が必要です。

矯正治療中の滑舌について。

◇裏側矯正


歯の裏側にワイヤー状の矯正装置を取り付けるのが裏側矯正です。表側矯正と違って舌の動きが抑えられやすくなり、滑舌に影響が出やすくなってしまいます。また、表側矯正と同様に、治療完了まで矯正装置を自分で取り外せない点もデメリットでしょう。

矯正治療中の滑舌について。

◇マウスピース矯正


マウスピースは薄く作られているため、装着中に違和感を覚えることがほとんどなく、滑舌への影響も軽度です。表側矯正・裏側矯正と違い、自分の好きなタイミングで取り外しもできます。ただし、サイズが合っていない場合や装着方法が間違っている場合などは、滑舌が悪くなることもあるため要注意です。


◼️矯正で滑舌が悪くなったと感じた時の対処法


先述したとおり、矯正治療の方法を問わず滑舌が悪くなる場合があります。比較的滑舌への影響が少ないとされるマウスピース矯正でも、絶対に滑舌が悪くならないとは断言できないため注意しなければなりません。矯正中に滑舌が悪いと感じたら、以下の方法で対処しましょう。


<矯正で滑舌が悪くなったと感じた時の対処法>

・大きさが合っているか確認する

・正しく装着できているか確認する

・チューイーを活用する

・発声練習をする


それぞれのポイントをくわしく解説するので、順番に確認し、問題がありそうだと感じた場合は遠慮せずかかりつけのクリニックに相談しましょう。


◇大きさが合っているか確認する


マウスピース矯正を行っている場合は、マウスピースの大きさが自分の歯に合っているか確認しましょう。マウスピースが小さすぎると異物感が強くなり、反対に大きすぎると些細な衝撃で外れてしまうことがあります。いずれもマウスピースの存在を意識しすぎてしまい、滑舌が悪くなる場合があるのです。

また、決められた期間・順番を守らずにマウスピースを使い続けていると、違和感がより強くなってしまいます。歯の移動にあわせて適切なマウスピースへの交換が重要なので、どのマウスピースを使うべきかわからなくなった場合や、マウスピースを紛失した場合は、かかりつけのクリニックに相談して指示を仰ぎましょう。


◇正しく装着できているか確認する


マウスピースのサイズが合っていても、正しく装着できていなければ意味がありません。マウスピースは定められた位置にしっかりはめ込まなければフィットせず、浮いてしまいます。結果として違和感や異物感が強くなり、舌の動きが邪魔されて滑舌が悪化するため要注意です。

マウスピースの装着方法が間違っていると、滑舌に悪影響が出るだけでなく、矯正力まで失われてしまうことも問題です。マウスピースの装着方法が合っているか不安に感じている場合は、自己判断でマウスピースを使い続けず、クリニックに相談してたしかめましょう。


◇チューイーを活用する


マウスピースを正しく装着するために、チューイーを活用しましょう。マウスピースを正しく装着できていないと、滑舌が悪くなる恐れがあることは先に述べたとおりです。マウスピース矯正開始の時点で配布されるチューイーを使ってマウスピースを正しくはめ込み、滑舌の悪化を防ぎましょう。

チューイーはシリコンで作られたパイプ状のアイテムです。マウスピースを指ではめ込んだ後、チューイーを前歯から順番に噛んで歯に押し込んでいきます。上下の歯をあわせて噛みこむとマウスピースが破損する恐れがありますが、チューイーを使えばそのようなトラブルを防ぎ、マウスピースを奥まではめ込むことが可能です。


◇発声練習をする


矯正装置に慣れるために発声練習も取り入れましょう。矯正装置を装着したまま「サ行・タ行・ナ行・ラ行」の発声を練習したり、舌を出して発声したり、母音を発声したり、アナウンサーが行っているような発声トレーニングをしたりすると有効です。


◼️まとめ


歯列矯正中は滑舌が悪くなる場合がありますが、慣れにより次第に改善されます。

うえの歯科医院では矯正治療に関わることをサポートしておりますので、よろしければお問い合わせください。

ブログ監修者


医療法人VERITAS うえの歯科医院 

理事長 上野友也


1993年 鶴見大学歯学部卒業

1995年 東京医科歯科大学歯学部医員研修医終了

1996年 鶴見大学第三補綴学講座臨床専科生

2000年 アストラテックインプラントベーシックコース修了

2002年 うえの歯科医院設立

2004年 医療法人ヴェリタスオーラルケアセンター設立

2008年 OSIインプラントアドバンスコース修了

2008年 JIADSペリオコース修了

2009年 JIADSエンドコース修了

2010年 JIADS補綴コース修了

2010年 JIADSペリオ&インプラントアドバンスコース修了

2012年 ニューヨーク大学CDE在籍


• 所  属

国際インプラント学会(ICOI)会員

日本顎咬合学会会員

財団法人プロスピーカー協力アシスタントプロスピーカー

OSI会員

JIADS会員

厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医

鶴見大学歯学部附属病院共同診療医

済生会東部病院共同診療医

横浜労災病院共同診療医

日本歯周病学会

日本臨床歯周病学会

日本口腔インプラント学会

鶴見大学歯学部歯周病学講座