2022/12/15歯周病の原因やなりやすい人、予防をご紹介します!
皆様 こんにちは!
インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜、歯周治療うえの歯科医院
歯科医師の中曽根です。
最近一段と寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?体調など崩されていませんか?
体が不調だとお口の中のバランスも崩れます。一回くらい歯磨きサボってもいいかな…なんてお思いではないでしょうか!?
年末も近づいてきました。
心も体も最高な新年を迎えるために、今一度お口の健康についても考えていきましょう!
本日のテーマは【歯周病】です。
歯周病と聞いても何となくイメージはできるがピンと来ない…という方がほとんどだと思います。
◼️そもそも歯周病とは…
プラークと呼ばれる歯周病原細菌のかたまりによって引き起こされる感染性の炎症疾患で、歯の周りの歯ぐきに炎症が起こり、さらに進行すると歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。
歯と歯ぐきの境目(ポケット)の清掃が行き届かないと、そこにプラークが停滞し炎症を起こし、歯肉が赤くなったり、腫れたりします。何といっても歯周病の怖いところは自覚症状に乏しいことです。気がつかないうちにさらに進行すると、膿が出たり歯が大きく動揺し手遅れとなり、場合によっては、歯を抜かなければならなくなってしまう病気です。
ちなみに、日本人の歯の喪失原因一位が歯周病によるものです。30代でも3人に2人が罹患していると言われています。虫歯は歯をむしばみますが、歯周病は歯が植っている骨や歯ぐきと広範囲に炎症が及ぶため、歯が失われるリスクも高くなります。
◼️歯周病の原因となるもの
歯周病が進行してしまう原因はたくさんあります。
今回はわかりやすく分類分けして説明します。
【直接的原因】
◇プラーク
歯周病の直接的な原因は、歯垢(プラーク)です。歯垢(プラーク)は生きた細菌の塊で、そのほとんどが酸素の少ない場所を好むため、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に潜んでいます。
この歯垢(プラーク)中の細菌が出す毒素によって、歯ぐきに炎症が起きてしまうのです。
【間接的原因】
①局所的(口腔内環境)によるもの
◇歯石
口の中の汚れや細菌が増殖すると歯垢(プラーク)が作られ、みがき残した歯垢(プラーク)は約2~3日で石灰化し、歯石となります。
歯石が一度ついてしまうと、歯みがきでは落とすことができず、歯ぐきの炎症などを引き起こします。
プラークが歯石となり、歯周ポケットを覆ってしまうことで酸素を遮断し、細菌にとってさらに好環境になってしまうのです。
◇歯並び
歯並びが悪く、歯が重なっていたりと磨きづらい部分にはプラークがつきやすくなります。
また、歯並びは年を重ねると悪くなる傾向があります。フレアリングと言って、歯が外側に開き、若いときはきれいな歯並びだったが、50歳を過ぎて歯の間に隙間がうまれる人が多くなります。この場合も歯がみがきにくくなり歯周病のリスクにつながりますので注意が必要です。
◇歯に合っていない被せ物
歯と歯ぐきの境目に段差があるとプラークが停滞しやすく、歯周病も進行しやすいです。
◇口呼吸や歯ぎしり
口呼吸による口腔内の乾燥で細菌が溜まりやすくなります。また、歯ぎしりや噛み締めなど歯にかかる負担が強いと炎症を増強させるリスクもあります。垂直の力は100kg程度は耐えられると言われていますが、歯ぎしりなど横の力には耐えられません。
②全身的(生活習慣)によるもの
◇喫煙
血管が収縮し、歯ぐきの血行が悪くなります。その結果、歯周病への抵抗力を弱めてしまいます。
◇食生活、ストレス
不規則な食生活や栄養バランスの欠いた食事をしていると、体だけでなく歯や歯ぐきにも悪影響を及ぼします。また甘いもの、やわらかいものは歯につきやすく、歯垢(プラーク)が増える原因となります。
睡眠不足やストレスも免疫力が低下します。
ここまで歯周病の原因についてお話してきましたが、そもそも歯周病になりやすい人・なりにくい人っているの?という疑問も出てきたのではないでしょうか…!
◼️歯周病になりやすい人
◇歯磨きをキチンとしない人
歯磨き習慣がしっかりとできていない人は、プラーク(歯垢)が付き、口の中が細菌でいっぱいになります。このような人は、間違いなく歯周病のリスクが高まります。歯周病は生活習慣病なので、何にも増して日々の生活習慣が大事になります。歯磨きや、お口の中のケアは歯周病だけではなく、むし歯予防の基本でもあります。
◇喫煙者
歯周病にとって喫煙のリスクはとても大きなもので、危険因子の代表とも言われています。吸う人は吸わない人に比べて、歯周病になりやすく、進行速度も速くなります。なおかつ、治療をしても治りにくいことが研究でも分かっています。主な理由は、下記のとおりです。
→歯ぐきの血行が悪くなり、歯ぐきに酸素や栄養が十分に行きわたらない。
→細菌と戦う白血球の働きが半減し、免疫力が低下。
→ニコチンにより唾液の分泌が抑えられるため、プラークや歯石が付きやすい。
◇糖尿病
糖尿病になると歯周病になりやすいと昔から言われています。それは、口の中の乾きに関係しています。高血糖になると、唾液の分泌量が減り、口の中が乾いてきます。そうなると、白血球の機能が低下して、歯周病菌が増殖してきます。
また、歯周病により糖尿病が悪化するとも言われています。歯周病により炎症性物質が放出されるとインスリンの作用(血糖値を下げる役割)を抑制し、血糖値のコントロールが悪化します。
◇口ぽかんの人
口の中は粘膜でできており、唾液でおおわれているので、細菌が付きにくい状態になっています。口を開けていると、口の中が乾燥するため、白血球の機能が低下し、歯周病菌が増幅します。鼻炎により慢性的に口呼吸の人も要注意です。
最後に…
◼️歯周病の予防と対策
◇日々の歯磨き習慣の徹底
歯周病の一番の治療が患者様ご自身の歯磨きになってきます。歯科医院へ定期的に通っていただくとしても毎日お口の中を確認することは不可能です。毎日の歯磨きを徹底していただくことで最適な口腔内環境を保ちましょう。
また、普段お使いの歯ブラシと合わせて歯間ブラシやフロス、洗口剤も使ってみましょう。既にお使いの方は今一度ご自身の口腔内に合ったものを使っているか確認しましょう。合わないものを使い続けることで歯ぐきを傷つけてしまう場合もあります。
うえの歯科医院では様々な補助的清掃グッズを揃えております。来院された際、患者様に合ったものを提案させていただきますので、是非お気軽にご相談ください。
◇メンテナンス
歯周病治療が完了した後は3ヶ月に1度、歯科医院に定期的にお越しいただき、検診を行います。歯周病菌が少しでも残っていると、せっかく良くなった口腔内環境が逆戻りしてしまうため、治療後の経過を確認させていただきます。正しい歯みがき指導を行い、口腔内環境が安定するように、定期的なメンテナンスを行うことをおすすめしています。
歯周病は誰もが感染しうる病気です。
また、ご自身の歯磨きに対する取り組み次第で良くも悪くもなるため、歯科医院で患者様のお口を拝見させていただくと日々の取り組み方がすぐわかってしまいます。
毎日の歯磨きを徹底し、歯科医院にもしっかり通い、二人三脚で最高な口腔内環境を作っていきましょう!
【ブログ監修者】
医療法人VERITAS うえの歯科医院
理事長 上野友也
1993年 鶴見大学歯学部卒業
1995年 東京医科歯科大学歯学部医員研修医終了
1996年 鶴見大学第三補綴学講座臨床専科生
2000年 アストラテックインプラントベーシックコース修了
2002年 うえの歯科医院設立
2004年 医療法人ヴェリタスオーラルケアセンター設立
2008年 OSIインプラントアドバンスコース修了
2008年 JIADSペリオコース修了
2009年 JIADSエンドコース修了
2010年 JIADS補綴コース修了
2010年 JIADSペリオ&インプラントアドバンスコース修了
2012年 ニューヨーク大学CDE在籍
• 所 属
国際インプラント学会(ICOI)会員
日本顎咬合学会会員
財団法人プロスピーカー協力アシスタントプロスピーカー
OSI会員
JIADS会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
鶴見大学歯学部附属病院共同診療医
済生会東部病院共同診療医
横浜労災病院共同診療医
日本歯周病学会
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
鶴見大学歯学部歯周病学講座