2021/11/14歯を守りたいのなら
皆様こんにちは!横浜市鶴見区にある歯医者さん
インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜
歯周病治療のうえの歯科医院、歯科医師の米長です。
さっそくですが最近、有名なゾンビ映画を見ています。
見たことありますか?ウォーキング・デッド
あらゆるチャンスにゾンビが襲ってくるんですが
歯科医師の私が一番気になるのは、ゾンビたちの 歯 だったり。
驚いたことに、ゾンビたちの歯が、キレイなんです。
被せ物や詰め物も見当たらないし
歯の無い部分も見当たらないし
入れ歯のゾンビもいないんです。
食欲だけが残ったゾンビが襲ってきたはいいが
あ゛あ゛~ と襲ってきたら入れ歯がパカリと外れて あれ?
みたいなことは起きないみたいです。
ところで、硬いものを噛むと歯が丈夫になる
というな事を聞いたことがありませんか?
わたしは診療していて、そのような事を言われることがあります。
丈夫になると聞いて、ガムをずっと噛んでいる
丈夫になると聞いて、硬いものを食べるようにした など。
でもそれ、誤解です。
歯は噛んで丈夫になるものではないんです。
①歯が生えてからは、減るのみ
減るってなんだ?と思われるかもしれませんが。
歯 というのは硬い組織で、体の中で作られた後、表皮を破って外に出てきます。
作られた後には、表面的に歯が作られることはありません。
(歯の内部では一生作られていきますが)
一方で、歯は咀嚼することで歯と歯がかみ合わされます。
見えない範囲で、着実に歯はすり減っていきます。
口は臼磨運動といって、臼(うす)の様に歯と歯をすり合わせて食べ物をかみ砕きます。
硬いものを噛む場合、特に力が必要となり、すり合わせる力が増えます。
歯と歯がすり合わされると、歯と歯で削られて、研磨されていきます。
その力が強いほど、削れる力も強くなります。
つまり、硬いものを噛むと、歯は減って、弱くなります。
先日、こんな方がいました。歯が痛い。と
その方にはむし歯はありません。歯ブラシもキレイに出来ていて汚れもありません。
何が起きていたのか。
その方は歯ぎしりが強く、歯がすり減っていました。
見させていただいた時には、歯の中心が黄色くなり、その中心には穴がありました。
穴というのは、いわゆる歯の神経です。
噛み合わせで歯がすり減ったため、歯の神経が露出してしまって痛かったのです。
力強く噛み合わせる事を繰り返した結果
歯の神経が、むし歯でもないのに露出してしまったのです。
②歯ぐきは筋肉ではない
鍛えれば強くなる
というのは、漫画などではおなじみですね。
努力は報われねばならない。という、進行に近いものですが。
体は動かすことで、それに使用された筋肉が自己修復されて増強します。
筋肉は体を動かす為に備えられた組織で、鍛えることで強くなります。
では、毎日、唇を歯で強く嚙むとします。唇は強くなるでしょうか?
おそらく、まず唇は内出血し、そのうちただれ、それでも続ければ
回復が間に合わず、壊死してしまうと思います。
歯ぐき唇と同じで筋肉ではありません。
壊されると、同じ組織か、繊維質の組織に置き換えられていきます。
それが間に合わなければ、次第に壊れていきます。
③歯は歯ぐきに支えられている
歯に与えられた刺激は、歯ぐきが支えてくれています。
その刺激が強すぎると、①と②に書いたように壊されていき
最終的に歯が壊れるか、歯は残り、抜けてしまいます。
④歯と歯ぐきは丈夫にならない
①~③で書いたように、無理に硬いものを咀嚼することで、歯と歯ぐきは破壊されます。
③で、歯は歯ぐきに支えられている、と書きました。
そしてそれを支えているのは骨です。
骨粗鬆症で骨が弱ってしまっている方の中には、食事で骨を折ってしまったという方がいます。
咀嚼というのは、骨折してしまう程の力がかかるんです。
また、壮年の方で、歯ぐきにできものができた、と言っていらっしゃる方がいます。
歯ぐきを見てみると、骨が膨れ上がって、できものの様になってしまっている事があります。
下顎のベロ側や上顎の中央に出来やすいのですが、骨隆起 と言います。
これは、過大な咀嚼力で骨が壊され、それを補強するために顎骨が肥大化したものです。
小さな骨折が繰り返された結果、できるものです。
では、どうすればよいのか
噛むことは大切。
噛むと丈夫になる、の源流は、噛む事の重要性から生まれたものだと思います。
硬いものであれば咀嚼しなければ飲み込めないので、硬いものを食べましょう
というのが始まりだと思います。
ただ、硬いものを食べても丈夫になるどころか、良くない事も起こる
という事を①~④に書きました。 では何が正しいのか。
それは、よく噛む事です。
噛むことで歯根膜という歯の周りが活性化されて
脳に良質な刺激があたえられ、認知機能が活性化されると言われています。
それは、硬いものである必要はありません。
努力して硬いものを噛めば、強い力で噛む必要があります。それは、①~③の結果を招きます。
普段、食べている物を、丸呑みしないように適度な回数、咀嚼する事が必要です。
今までの食事で、一回ずつ増やすだけでも、3度3度の食事でたくさん回数が増えるはずです。
うえの歯科医院では食べることについての相談も行っています。
気になる方はぜひご相談ください!
【ブログ監修者】
医療法人VERITAS うえの歯科医院
理事長 上野友也
1993年 鶴見大学歯学部卒業
1995年 東京医科歯科大学歯学部医員研修医終了
1996年 鶴見大学第三補綴学講座臨床専科生
2000年 アストラテックインプラントベーシックコース修了
2002年 うえの歯科医院設立
2004年 医療法人ヴェリタスオーラルケアセンター設立
2008年 OSIインプラントアドバンスコース修了
2008年 JIADSペリオコース修了
2009年 JIADSエンドコース修了
2010年 JIADS補綴コース修了
2010年 JIADSペリオ&インプラントアドバンスコース修了
2012年 ニューヨーク大学CDE在籍
• 所 属
国際インプラント学会(ICOI)会員
日本顎咬合学会会員
財団法人プロスピーカー協力アシスタントプロスピーカー
OSI会員
JIADS会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
鶴見大学歯学部附属病院共同診療医
済生会東部病院共同診療医
横浜労災病院共同診療医
日本歯周病学会
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
鶴見大学歯学部歯周病学講座