-0001/11/30歯肉の出血
皆様こんにちは!鶴見区にある歯 医者さん!
インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜、歯周治療のうえの歯科医院
歯科 衛生士の笹井です
歯磨きで出血した、口をゆすいだら血が滲んだ…なんて経験はありませんか?歯肉から出血する原因はいくつかあります。
①歯肉 炎・歯周病
②歯肉を傷つけやすい歯 磨き
③ドライマウス
④薬の副作用
⑤喫煙
⑥ホルモンバランスの変化
⑦歯 ぎしり・くいしばり(ブラキシズム)
⑧全身疾患
⑨糖分過多
などです。
では、歯肉の出血を放っておくと何が起こるのでしょうか。
歯の喪失因子第2位は歯周病です。同時に、成人日本人の8割以上の人が歯周病 菌に感染しているといわれています。
歯周病の原因 菌、歯周病 菌の栄養源はタンパク質です。血液には良質なたんぱく質が多く含まれています。空気が嫌いな歯周病 菌(嫌気性 菌)は歯肉 溝の中で繁殖します。その歯肉 溝のなかで良質なたんぱく質が手に入るのですからさぞかし居心地がいいことでしょう。歯肉 溝の中で出血があると歯周病 菌は増悪化して、より治りにくく骨の破壊力の強い菌が現れます。
以上のことから歯肉 溝での出血は歯周病の大敵です。
では一つずつ見ていきましょう。
①歯肉 炎・歯周病
口腔に磨き 残し・細菌が多いと、体が防御反応で歯肉に血液を送り込みます。血液 中の白血球が細菌と戦ってくれます。出血傾向の状態は歯肉に血が集まっている歯肉 炎と考えられます。歯肉 炎を放置すると歯周病へ進行して歯を失う可能性が上がります。
原因は磨き 残しの細菌。歯 磨きで予防・改善ができます。
②歯肉を傷つけやすい歯 磨き
歯肉に傷がつく歯 磨きとは。
・硬い歯ブラシを使用したり力強くごしごしと磨く歯 磨き
・歯間ブラシの大きさがあっていない
・フロスが歯肉に食い込んでしまった
などの場合があります。
歯 磨きの道具はそれぞれの口に合ったものを使う必要があります。適正な道具で適正な力で行いましょう。
また、日常的に力強く歯 磨きをして歯肉に慢性的な刺激が加わっていると、歯肉が退縮して歯根面が見え知覚過敏が出やすくなります。また、歯根面は従来歯肉に隠れている場所で、歯冠の表面と違いむし歯になりやすい組織でできています。
歯肉が退縮するような強さの歯磨きを長年続けていると、歯肉退縮で出てきた歯根面を削ることもあります。(下図)
③ドライマウス
ドライマウスとは、口腔が乾燥していることです。
原因は口呼吸・鼻炎(による口呼吸)・薬の副作用・唾液の分泌量の低下など
唾液には口腔を洗浄する作用もあります。唾液が減少すると洗浄作用も低下します。乾燥することで菌が増殖しやすく、むし歯や歯肉炎を起こしやすくなります。
ドライマウスを改善するには食生活の改善、薬の見直し、食べ物をよく噛む、ガムをかむ(キシリトールのものを…!)、唾液腺マッサージなどで改善できます。
④薬の副作用
抗凝固剤や降圧剤の薬を服用している方は出血傾向が強く出る場合があります。
抗凝固剤は梗塞の既往がある方、ステントが入っている方などが飲んでいるケースが多く、血液がサラサラになるため一度出血すると止まりにくく、歯科の施術も注意が必要な薬です。
降圧剤は歯肉を増殖させる副作用が出ることも。
口腔衛生が保たれている方は増殖しにくいです。炎症が起こりやすい口腔環境の場合に歯肉増殖が多く起こります。ポケットが深くなるので歯周病が進行しやすく、処置をしても治るのに時間がかかります。歯科観点からみると厄介な薬です。
⑤喫煙
喫煙は血 管を収縮させ、全身の血 流量を下げます。血液の中には免疫機能をもつ白血球が含まれており、
血流が悪くなることで抵抗力が落ちます。また、本来は肺から吸収した成分が血液にのって全身に行きますが、口腔粘膜は直接成分を吸収します。そのため口腔は喫煙の影響を大きく出ます。
抵抗力が落ちた口腔では菌が繁殖しやすくなり、炎症が強くおきます。
禁煙が一番の予防です。
⑥ホルモンバランス
妊娠や成長、更年期によるホルモンバランスの変化でも口腔への影響がでます。
特に女性ホルモンは口腔に影響が出やすく、「妊娠性 歯周炎」という病名もあります。
原因となる歯周病菌
歯周病は細菌 感染症です。原因となる歯周病 菌は様々な種類がいますが、妊娠性 歯周炎は「プレボテラ・インターメディア」という歯周病 菌が深く関係しています。
この歯周病 菌はエストロゲンという女性ホルモンによって発育が促進されます。この女性ホルモンは妊娠中の女性、思春期の女性に多く分泌されるため、思春期性 歯周炎、もしくは妊娠性 歯周炎を誘発します。
様々な要因が重なり、思春期性 歯周炎、妊娠性 歯周炎は増悪します。
正しい知識で効果的に予防をしましょう。
1・ 体調がいい時は完ぺきな歯 磨き!
体調不良時はその時できる予防を。体調がいい時は完ぺきな歯 磨きをして口腔衛生を保ちましょう。
2・乾燥予防を
赤ちゃんは水分がとても多く、また羊水にもとられるため妊婦は乾燥しやすいです。口腔は乾燥すると菌が繁殖しやすくなります。糖分の入っていない水分(水やお茶)をしっかりとって予防を!
また、ガムをかむことで唾液の分泌が促進されます。キシリトール100%のガムにすることでむし歯も予防できます。唾液腺のマッサージなども取り入れて口腔の予防、口腔 衛生の改善を。
3・歯医者での予防 処置
歯 石や歯周 ポケット内の汚れは自分では除去できません。歯 科 衛生 士・歯 科医師によるプロの予防処置を普段から定期的に受けることで歯周病を予防することができます。
⑦歯ぎしり・くいしばり(ブラキシズム)
ブラキシズムによって直接歯肉 炎が起こるわけではありません。ブラキシズムによって負荷が大きくかかった部分の骨は吸収しやすく、骨が吸収したことによってできたポケットに細菌が繁殖し炎症へと発展します。
ブラキシズム自体は解決しませんがマウスピースを使用することでブラキシズムによる負荷を分散・緩和させます。また、ブラキシズムによって硬直した咬筋のマッサージも有効な予防です。
⑧全身的な病気
糖尿病や白血病は出血 傾向になります。口腔の出血のほとんどは歯科領域で改善できますが、原因が不明で心配な場合は医科の検査を受けましょう。
⑨糖分過多
糖分を多くとる習慣があると、歯肉から出血しやすくなります。
血糖値が高いと組織が糖化します。糖化すると組織はもろくなるため壊れやすく、壊れると出血します。糖尿病の出血 傾向もここからきます。
以上から口腔の出血はできるだけ予防する必要があります。
正しい歯磨きで口腔の細菌数を減らし炎症を予防。炎症を予防すれば口腔の出血の大半は治すことができます。
ぜひ歯科を受診して出血の原因を突き止め、出血のない、きれいな歯肉を手に入れましょう!出血のない歯肉は歯周病を予防し、歯の喪失も予防できます。
一生自分の歯で…!!
うえの歯科医院ではお口の中の相談も行っています。
気になる方はぜひご連絡ください!