2023/10/12歯肉炎とは?歯周病との違いや自宅でもできる正しい対処方法を紹介
皆様こんにちは!
横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士の高岡です。
テレビのコマーシャルやSNSでもよく見かける歯肉炎や歯周病という言葉ですが、同じ意味なのか、違いがあるのかご存知でしょうか?
実は歯肉炎と歯周病は違った意味の言葉なんです!
では一体、歯肉炎と歯周病はどのような違いがあるのでしょうか?
また歯肉炎のセルフケアの方法もご紹介します!
関連記事【歯石取りの頻度はどのくらい?歯科医院でケアした方が良い理由とは?】
■歯肉炎とは?
それではまず、歯肉炎とはどのようなものなのでしょうか。
30歳以上の成人の約8割はかかっている(予備軍含む)といわれている歯周病、もはや国民病となる生活習慣病です。
その歯周病は、進行度によって「歯肉炎」と「歯周炎」に分けることができます。
よって、歯肉炎は歯周病の中の進行度合いを表しているということとなります。
歯肉炎は、歯周病の中でも、比較的軽度な症状ですが、歯肉炎が進行して重度の歯周炎になってしまうと、歯を失う恐れもあります。
だからこそ症状の軽い歯肉炎のうちに正しいケアをし、進行を防ぐことが大切です。
◆歯肉炎の症状のチェックポイント
早く気づければ安心な歯肉炎ですが、歯肉炎の症状は一体どのようなものなのでしょうか?
チェックポイントは以下のようなことが挙げられます。
・歯ぐきの腫れ
・歯ぐきの赤み
・歯ぐきの出血
歯肉炎は、軽度の段階だと出血も少なく、目立った痛みや腫れもありません。
それ故に、症状に気づかなかったり、一時的なものだろうと放置してしまう方も多くいらっしゃいます。
しかし、そのまま放置してしまうと症状はどんどん進行し、より悪化した「歯周炎」を引き起こしてしまいます。
歯肉炎のうちに気付くには、少しでもおかしいと思ったら、または何も症状がなくても、歯科医院で歯茎の検査をしてもらうのが最も安心です。
◆歯肉炎と歯周病の違い
つまり「歯周病」とは、歯肉炎と歯周炎を含む大きな括りでの歯周の病態のことを指し、「歯肉炎」は歯周病のうちのまだ軽度の段階のことを指します。歯肉炎が進行してしまうと「歯周炎」となってしまいます。
歯肉炎の主な原因は、歯の磨き残し(プラーク)と、それらが固まってできた歯石です。歯茎が腫れたり、出血したりしてしまいます。お子様でもこのような症状がみられることがあります。
その歯肉炎が、歯周炎と呼ばれるまで進行してしまうと、歯茎よりも下にまで歯石が溜まってしまい、歯と歯茎の間の溝である歯周ポケットがどんどん深くなってしまいます。こうして炎症が広がっていくことにより、重度の歯周炎になってしまうと、歯の土台となる骨も溶けていき、痛みを伴ったり、歯はぐらぐらになってしまいます。
■歯肉炎の原因4選
ご自身の歯を残すためには、歯肉炎を予防することがとっても大切です。
そもそも歯肉炎になってしまう原因は何があるのでしょうか。
◆歯垢の蓄積
歯肉炎の直接的な原因は、歯の磨き残し(プラーク)です。磨き残し(プラーク)は生きた細菌の塊で、そのほとんどが酸素の少ない場所を好むため、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に潜んでいます。
この磨き残し(プラーク)の中の細菌が出す毒素によって、歯ぐきに炎症を起こしてしまいます。
◆歯並びや被せ物
歯肉炎の間接的要因として、歯並びや被せ物の不適合も挙げられます。
歯並びが悪いところや、被せ物がきちんと合っていないところがあると、どうしても磨き残しは残りやすくなってしまいます。歯が重なってしまっていたり、歯間や歯と被せ物の隙間が開いてしまっているところに磨き残しが溜まることで細菌が増えやすくなり、菌の温床ができることで歯肉炎を起こしやすくなります。
◆喫煙
生活習慣も歯肉炎の原因となります。
特に喫煙習慣は歯肉炎のリスクファクターです。
喫煙は血管を収縮させるため、血行不良を引き起こします。そのため、見かけの歯ぐきの炎症は少ないのですが、歯周病細菌に対する抵抗力が低下し、歯周病を重症化させてしまいます。また歯周病治療においても、喫煙者では治りが悪いことがわかっています。
◆ストレス
ストレスが多い毎日が続くと、食習慣が乱れたり、歯磨きの習慣が変わることが考えられます。
さらに、ストレスが原因で体の免疫力が弱まり、歯周病が悪化しやすくなることもあります。
■歯肉炎はどれくらいで治る?
悪化してしまうと歯周炎になってしまう歯肉炎ですが、できれば歯肉炎のうちに症状を抑えたいですよね。
歯肉炎はどのくらいの期間で治るのでしょうか。
歯肉炎の段階であれば、適切な治療を行えば2~3週間ほどで治るといわれています。
歯肉炎の治療において、アプローチ方法は2つあります。それは「歯科医院での歯石除去」と「丁寧なセルフケア」です。これは2つとも並行して行なうことが大切です。
歯科医院で歯石除去をしただけでは、また磨き残しが多ければ歯石がすぐに付いてしまいます。反対に、丁寧にセルフケアをしただけでは、細菌の塊である歯石を取り除けないため歯肉炎が歯周病へと進行する可能性がかなり高くなってしまいます。
歯科医院と患者様、両者が二人三脚で歯肉炎の原因を取り除いていくということが歯肉炎の治療では必要となります。
■歯肉炎の治療・対処方法
それでは、歯肉炎の治療のアプローチ方法2つを詳しくみていきましょう。
◆歯科での治療方法
歯科医院で行なう治療方法としては、歯肉炎の原因である歯垢の除去および歯石の除去、歯の根の面の滑択化、ぐらぐらする歯の咬み合わせの調整などがあります。
ただし、歯垢の除去は主に患者様の毎日の歯磨きがキーとなります。そのため、歯科衛生士により患者様一人一人に合った正しい歯磨きの方法を教えてもらうということも歯肉炎治療の一種となります。
また、スケーリングといって歯の表面や根の表面の歯垢歯石を器械で取除く事も歯肉炎の治療で行ないます。
◆自宅でできる対処方法
自宅でご自身で歯肉炎対策にできることとしては、以下のようなことがあります。
◇正しく口内清掃をする
まずは歯肉炎の原因となる歯の磨き残しをできるだけ少なくするために、正しいお口のケアを行うということが最も重要です。
実は、歯ブラシを使った歯磨きでの清掃率は約6割程度と言われています。なんと半分近くの汚れは取れていません!
そのため、デンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯ブラシでは入り込めない溝や歯と歯の間を掃除しましょう。デンタルフロスや歯間ブラシを使えば、清掃率は約8割までアップといわれています。
このひと手間があるかないかで、将来どれだけ自分の歯を残せるか、ということが決まってきます。
◇口呼吸をやめて鼻呼吸をする
歯周病は感染症の一種です。感染を防ぐには、粘膜を守る必要があります。
口の中の粘膜は、歯茎だけではなく、唾液によって細菌や外的刺激から守られています。ところが口呼吸をすると空気が入り込み、口腔内が乾燥しバリアが薄くなってしまいます。また、口呼吸は外の埃や花粉、細菌なども運び込んでしまいます。他の感染症にもなりやすくなるため、口は閉じて鼻呼吸をするようにしましょう。
鼻炎持ちの方は耳鼻科に行かれると良いですね。
◇生活習慣を整える
健康を維持するために、免疫力は最も重要なもの。
特に感染症である歯周病を防ぐには免疫力はとっても大事です。特に億を超える数の細菌がいる口腔内では、常に免疫が細菌と戦っています。
そのため、生活習慣を整えて適度に運動し、免疫力を高める努力をしましょう。
◇禁煙する
上でも述べたように喫煙は歯肉炎を引き起こす要因の一つです。
禁煙をすることで血流を改善し、健康な歯茎を保ちやすくなります。歯周病以外の点でも、身体に対する害を減らすことにつながるので、禁煙をしましょう。
■まとめ
今回は歯肉炎と歯周病の違いや、歯肉炎の対策方法をお伝えしました。
症状がなくても歯肉炎のうちに、歯周病の悪化を防ぐということがとっても大切です。
早期発見のために定期的に歯科医院で検診を受けるようにしましょう。それこそが、ご自身のトータルの健康の第一歩です!
また、歯肉炎を治療するには、歯科医院での治療と皆様自身の毎日のセルフケアのクオリティーがポイントとなります。歯医者さんと二人三脚で歯肉炎のうちに改善をしていきましょう!!
うえの歯科医院では歯周病治療に関わることをサポートしています。特に管理栄養士在籍のため、食生活の観点からも生活習慣病の一種である歯周病の対策をお伝えしています。よろしければお問い合わせください。
うえの歯科医院 サプリメント診療・栄養指導
https://www.veritas-occ.jp/dental_service/special/#supplement
【ブログ監修者】
医療法人VERITAS うえの歯科医院
理事長 上野友也
1993年 鶴見大学歯学部卒業
1995年 東京医科歯科大学歯学部医員研修医終了
1996年 鶴見大学第三補綴学講座臨床専科生
2000年 アストラテックインプラントベーシックコース修了
2002年 うえの歯科医院設立
2004年 医療法人ヴェリタスオーラルケアセンター設立
2008年 OSIインプラントアドバンスコース修了
2008年 JIADSペリオコース修了
2009年 JIADSエンドコース修了
2010年 JIADS補綴コース修了
2010年 JIADSペリオ&インプラントアドバンスコース修了
2012年 ニューヨーク大学CDE在籍
• 所 属
国際インプラント学会(ICOI)会員
日本顎咬合学会会員
財団法人プロスピーカー協力アシスタントプロスピーカー
OSI会員
JIADS会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
鶴見大学歯学部附属病院共同診療医
済生会東部病院共同診療医
横浜労災病院共同診療医
日本歯周病学会
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
鶴見大学歯学部歯周病学講座