2023/09/28歯周病は食生活で改善できる?管理栄養士による食事からのアプローチ方法!
皆様こんにちは!
横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士の高岡です。
前回は歯茎の健康に良い栄養素を管理栄養士の観点から紹介いたしましたが、すでに歯周病と診断をされてしまった…歯周病の悪化を防ぎたい!という方にさらにお勧めな食生活の方法を今回はお伝えします。
関連記事【歯周病の原因やなりやすい人、予防をご紹介します!】
▫️そもそも歯周病とは?
歯周病は、今や生活習慣病の一つにも含まれるお口の病気です。
世界中に患者がいる歯周病ですが、55歳以上の日本人は初期〜重度で合わせると2人に1人が歯周病という驚異の感染率を誇る病気です。
歯周病は進行が初期の段階では、症状がないため、歯科検診に通っていないとなかなか気づけません。しかし、歯周病は放っておくと全身に健康障害をきたす恐れもある、重大な疾患です!!
さらに歯周病は抜歯の原因の第一位でもあります。
歯周病が進行するにつれ、歯の土台となる骨がどんどん溶けていき、ご自身の歯を抜歯せざるを得ない状況になります。
歯周病の治療はもちろん歯医者さんで行なっていますが、歯周病は生活習慣病ということもあって、実は皆さんの生活習慣がキーとなる病気です。
だからこそ毎日の食生活が歯周病の悪化を防ぐことにとって、とても大切です。
早期に治療・予防をし、いつまでも美味しく食事ができるお口をキープしましょう!
▫️歯周病とは?
◇歯周病は治すことができるの?
歯周病は100%治すことは、残念ながらできません。
ですが、改善すること・進行を遅らせることはできます。
◇歯周病の進行度合い
歯周病の進行度は3段階に分けられます。
【軽度の歯周病】
歯と歯肉の際に歯石がたまっていきます。
まだ歯を支えている土台となる骨の吸収が見られず、歯石をとることにより、ほぼ元通りに改善することができます。
【中等度の歯周病】
骨の吸収が見られ、歯のぐらつきが出てきます。
溶けてしまった骨を戻すことは困難ですが、歯ぐきをしっかり引き締めることで歯周ポケットが浅くなり、歯を支えることができます。
【重度の歯周病】
骨の吸収がかなり進み、歯を支えることができなくなってきます。ここまで進んでしまうと前後左右上下にも歯が揺れてしまい、食事も不自由になってきます。
状態にはよりますが、外科処置をすることによって、歯肉を再生させ、歯を残せる可能性があります。
以上のことからわかるように、いかに中等度や重度の歯周病になる手前で、歯周病予防や改善の処置をしておくかがポイントとなります。
また、どの段階でも共通して、治療をした後のご自身のセルフケアをいかにするかで、治り具合が変わってきます。
▫️歯周病は市販の歯磨きケアグッズで改善するの?
セルフケアが大切と記載しましたが、ご自宅での毎日の歯磨きでは何を使うのがよいのでしょうか?
最近では、テレビコマーシャルやインターネット、ドラッグストアやセレクトショップなどで、歯周病の方向けと謳ったケアグッズがたくさん出ていますね。
「たくさんありすぎて結局どれがいいのかわからない!」
なんてことはないでしょうか?
歯周病の進行度や要因、歯周病以外のお口のお悩みも人それぞれ、多種多様です。
まずは、歯科医院にご相談されることをオススメします。
今のあなたにぴったりの歯ブラシや歯磨き粉を、プロがお伝えしています。
歯科医師や歯科衛生士にオススメされたケアグッズであれば、毎日使う納得度も違いますね!
では、歯科医院に相談すると、どんな治療がなされるのでしょうか?
■歯周病の治療方法
歯周病の治療方法のポイントは3つあります。
①歯周病菌を減らすこと
②免疫力を高めること
③噛む力に対するアプローチ
それぞれを詳しく見ていきましょう。
①歯周病菌を減らすこと
歯周病は細菌感染症です。原因となる歯周病菌を減らすことがメインとなる治療です。
歯周病菌は、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の間の溝に隠れていたり、歯石となって歯にこびりついていたりします。
1本1本丁寧に歯のお掃除をすることで菌を減らしていきます。
このように丁寧に治療をしても、食事をすると菌はどうしても増えてしまいます。だからこそ、日々の歯磨きのスキルを上げ、できるだけすぐにブラッシングで菌を減らすことが大切です。
まずブラッシング指導をし、患者様ご自身でプラーク(磨き残し)を取れる歯磨きができるようになってから、歯石をとる処置をします。
磨き残しの少ない環境が整っていくと、菌も住み着きにくいお口の環境になります。
◇磨き残しを減らすには・・・
実は、食べ物の中でも、プラークになりやすい食べ物と、なりにくい食べ物があるんです!
【プラークになりやすい食べ物】
プラークになりやすいのは、歯にくっつきやすい食べ物です。
例えば、
チョコレート・キャラメル・ドライフルーツ・クッキーやパン類など小麦からできているもの
などです。
また、お酒を飲むと、お口の中が渇いてしまい、プラークがたまりやすくなります。
こういったものを食べた後は、歯磨きをすぐにするようにしたり、歯磨きが難しい状況であればせめてぶくぶくうがいをするようにしましょう。
【プラークを減らしやすい食べ物】
繊維質の食べ物は、プラークを絡めとってくれます。
例えば、野菜や果物です。中でもリンゴは、歯の表面をきれいにする繊維をもつ食べ物です。
また、唾液をたくさん出すことによって、プラークをためにくくすることもできます。
そのため、噛み応えのあるお食事をとったり、出汁のきいた味付けだと唾液がたくさん出てくれます。
食材を選ばなくても、大きめに切って料理するだけで、噛む回数が多くなり、自然と唾液が出る量もアップしてくれます。
また味付けは塩分や糖分に頼りすぎず、出汁の旨みを活用するようにしましょう。
②免疫力を高めること
歯周病は感染症ですので、菌に対する免疫力を高めることも重要です。
免疫力を高めるには、生活習慣がキーとなります。
◇免疫力を高める生活習慣
【禁煙】
実際に、喫煙者は非喫煙者に比べ、歯周病にかかりやすい・悪化しやすいということがわかっています。歯周病治療の効果にも違いがあります。
禁煙をすることで、歯肉の血液の巡りも良くなり、歯を支える組織の状態が良くなります。
【抗酸化(アンチエイジング)作用のある食材を食べる】
歯周病の歯肉は炎症を起こしている状態です。この炎症を抑えるには、活性酸素という悪者を撃退する必要があります。その活性酸素を除去するのが抗酸化(アンチエイジング)物質です。
抗酸化(アンチエイジング)作用といえば、美容関連でよくきく言葉ですが、実は歯肉の状態もよくしてくれる、摂らなきゃ損な物質なのです!
抗酸化作用のある栄養素は
【ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE】が代表的です。
この3つはビタミンのACE(エース)と呼ばれています。
また、ポリフェノールも強い抗酸化作用を持ちます。
これらの栄養素が入っている食材は、
ビタミンA:色の濃い野菜(ニンジン・ほうれん草・モロヘイヤ・レバー類・卵黄)
ビタミンC:野菜・果物類(ビーマン・トマト・ブロッコリー・じゃがいも・キウイフルーツ・イチゴ)
ビタミンE:ナッツ類・カボチャ・モロヘイヤ・植物油
ポリフェノール:植物全般(ブドウ・柑橘類・ナス・玉ねぎ・ゴボウ・ショウガ・シソ・そば・ウコン・チョコレート・コーヒー・紅茶など)
ただしポリフェノールを多く含む食べ物は歯の着色がつきやすいと言われています。食べた後はできるだけ早く歯を磨くようにしたり、食事中こまめに水分をとるようにしましょう。
③噛む力に対するアプロ―チ
歯は骨によって支えられています。つまり、骨があることによって、噛む力に耐えることができます。
歯周病が進み、骨が溶けて行ってしまうと、噛む力に負けて、さらに歯周病が進行してしまいます。
噛む力に耐えられるようにするためには、正しい位置で噛めるように、噛み合わせの調整のバランスを整えることが必要です。
そのためには、歯列矯正をしたり、すでに入っている被せものや詰め物の高さを調整したりします。
また、歯ぎしりや食いしばりを防ぐことも、噛む力に耐えるために必要です。
仕事中や勉強中、家事をしている時など集中していると、無意識に食いしばってしまっていることはありませんか?また、朝起きて、顎が痛いなんでこともありませんか?
本来は、口を閉じている時、上の歯と下の歯はくっつかないのが正常な歯のポジションです。
歯ぎしりや食いしばりがあると、歯が削れて知覚過敏の原因となったり、歯を支える骨に負担がかかってしまいます。
歯ぎしりや食いしばりを軽減するための食習慣としては、コーヒーを飲むのを午前中までにすることや、香りのついたハーブティー・ルイボスティーを飲むことで、副交感神経を優位にし、リラックス状態にすることが大切です。
■管理栄養士の食事指導
当歯科医院はトータル健康サポートのために、栄養の専門家、管理栄養士がいます。
歯科医院の治療の効果を高める食生活やサプリメントのご提案もしています。
・サプリメントに抵抗感がある
・なんとなくいいと思ってサプリメントを飲んでいる…
・サプリメントを飲み続けているけど、効果が実感できない…
・自分が補うべき栄養素を知りたい!
という方向けに、当歯科医院にて無料の栄養相談・サプリメント外来を行っております。
ご自分の健康を守るために、正しい食習慣を身につけていただくためのサポートをしています。
栄養や食事について、当歯科医院の管理栄養士にご気軽にご相談ください。
■まとめ
今回は歯周病を食生活からのアプローチで改善、予防する方法をお伝えしました。
歯周病を治すには、歯科医院に通うことがまず第一優先です。さらにその歯周病治療を高めるためには、食習慣を整えることも大切なポイントとなります。
歯周病治療をしているけどなかなか治らない…
他の生活習慣病も心配…
といった方はぜひうえの歯科医院の管理栄養士までご相談ください。
うえの歯科医院では採用専用のページを運営し、管理栄養士の採用も行っています。ご興味ある方はぜひお問い合わせください。
うえの歯科医院 サプリメント診療・栄養指導
https://www.veritas-occ.jp/dental_service/special/#supplement
うえの歯科医院リクルート
https://www.veritas-recruit.jp
【ブログ監修者】
医療法人VERITAS うえの歯科医院
理事長 上野友也
1993年 鶴見大学歯学部卒業
1995年 東京医科歯科大学歯学部医員研修医終了
1996年 鶴見大学第三補綴学講座臨床専科生
2000年 アストラテックインプラントベーシックコース修了
2002年 うえの歯科医院設立
2004年 医療法人ヴェリタスオーラルケアセンター設立
2008年 OSIインプラントアドバンスコース修了
2008年 JIADSペリオコース修了
2009年 JIADSエンドコース修了
2010年 JIADS補綴コース修了
2010年 JIADSペリオ&インプラントアドバンスコース修了
2012年 ニューヨーク大学CDE在籍
• 所 属
国際インプラント学会(ICOI)会員
日本顎咬合学会会員
財団法人プロスピーカー協力アシスタントプロスピーカー
OSI会員
JIADS会員
厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医
鶴見大学歯学部附属病院共同診療医
済生会東部病院共同診療医
横浜労災病院共同診療医
日本歯周病学会
日本臨床歯周病学会
日本口腔インプラント学会
鶴見大学歯学部歯周病学講座