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2023/05/21矯正で歯が動かない原因は?

皆様 こんにちは!

インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜、歯周治療うえの歯科医院

歯科医師の中曽根です。


あっという間にゴールデンウィークも終わりましたね!

いよいよ夏本番…というところですがその前に梅雨ですね。ジメジメした季節がやってきますが、お口の中は常にサッパリ清潔にしておきましょう!


本日のテーマは【矯正治療】です。

あまり聞き馴染みのない単語も出てくると思いますので、詳しく説明していきますね。


◼️矯正で歯が動きやすい人の特徴は?


歯列矯正で歯が動きやすい人と歯がなかなか動かない人にはどのような違いがあるのでしょうか。歯の動きやすさは治療の期間に影響するため、気にされる方は多いでしょう。


◇歯並びの問題が軽度

もともと歯並びの問題が軽度で、歯を動かす度合いが小さければ歯は動きやすく、より短い期間で歯並びを整えられます。


◇新陳代謝が活発

歯列矯正をする際、歯を動きやすくするために重要となるのが、歯の周辺組織の新陳代謝です。代謝が活発であればあるほど、歯も動きやすくなります。

そのぶん歯列矯正の効果も出やすくなるのです。代謝を良くするためには食生活や睡眠時間等も意識しながら、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。


◇舌や口元に悪い癖がない

舌や口元に悪い癖があると、歯が思うように動きにくいことがあります。とくに前歯を舌で押す癖や頬杖をつく癖がある人は注意が必要です。それらの癖がない人は、余計な負担が掛かることもないので、歯を動かす妨げになりません。そのため、歯列矯正の効果がより出やすいでしょう。


◇医師の指示をきちんと守れる

歯を動きやすくするために最も重要なことは、「医師の指示をきちんと守ること」です。せっかく歯が整いはじめた場合も、矯正装置の使用時間などを守らなかったり、通院をやめてしまうと再び歯が乱れ始める可能性も高くなります。十分に注意してください。


◼️矯正で歯が動きづらい原因とは?


歯の移動する速度は個人差が大きいものです。しかし中には「歯が移動しにくい人」そして、まれに「まったく動かない人」がいます。主な原因は以下の3つです。


◇舌癖

「舌癖」とは、無意識のうちに舌を歯に押し付けるなど、舌のクセのことです。歯列矯正は、動かしたい方向に向けて力をかけることで歯を引っ張ります。動かしたい向きとは逆の方向に押すような舌癖がある場合、矯正でかける力を打ち消してしまうのです。このため歯がなかなか正しい位置に動きません。

例えば、「空隙歯列(すきっ歯)」「開咬」「上顎前突(出っ歯)」の人は、歯を舌で外側に押してしまう舌癖を持っていることが珍しくありません。そして、この舌癖は気をつけていても止めるのが難しいものです。


◇咬合力が強い

「咬合力」とは、噛む力のことです。集中しているときや寝ているときなどに、歯を食いしばるクセのある人がいます。すると歯に強い咬合力がかかるため、矯正でかける力を相殺してしまい、歯が移動しづらくなるのです。

これが当てはまりやすいのは、噛み合わせが深く、噛んだ時に下の前歯がほとんど見えない「過蓋咬合(かがいこうごう)」の人です。


◇アンキローシス

アンキローシスは歯と骨の間に存在しているはずの歯根膜(しこんまく)がなく、歯の根っこと骨(歯槽骨)が直接、結合している状態をいいます。

歯根膜とは、歯と骨の間にあるクッションのような柔らかい組織で、歯と骨をつないだり、歯の周りの組織に栄養を運んだりしています。なんらかの原因で歯根膜がダメージを受けて損なわれると、歯根膜を介さずに、歯と骨がじかに接する状態になり、そのままくっついてしまうことがあるのです。この状態をアンキローシスといいます。

矯正で歯が動かない原因は?

◼️アンキローシスの原因は?


アンキローシスを起こす原因の多くは、転倒や事故などの外傷です。

転んで歯をぶつけたり、交通事故などで歯に強い衝撃が加わると、歯根膜が損傷することがあるのです。

歯が抜けたり、位置がずれたりするなどの見た目の変化がなく、すぐに忘れてしまう程度の衝撃でもアンキローシスを起こしていることがあります。


外傷以外にも歯が生えてくる過程で、何らかの炎症が生じることで、アンキローシスは起こる可能性があるものです。

また、虫歯が歯根まで進行してしまうことによって、歯根膜を失うこともあります。


様々な原因は挙げられますが、原因不明でアンキローシスが起こっているケースも、実は少なくないのです。


◼️アンキローシスで歯が動かないときの歯列矯正治療


アンキローシスを起こしている歯がある場合も、歯列矯正は続けられます。ただし、当初の方針のまま治療を継続するのではありません。到達可能なゴールを再設定し、治療の方向性を修正する必要が出てきます。


◇矯正の力をかけてみる

歯根のすべてがアンキローシスを起こしているのではなく、正常な歯根膜が部分的に残っていると思われるケースが時折みられます。このような場合、何かの拍子にアンキローシスを起こしていた部分が外れれば、歯が動きはじめる可能性もあるのです。そのため、まずは歯に矯正の力をかけて、様子を見るのが第一選択になります。


◇歯に脱臼を起こさせ、歯列矯正ができる状態にする

あえて「歯の脱臼」を起こしてグラグラの状態にすることで、アンキローシスの歯を動かせる場合があります。

「歯の脱臼」という耳慣れない言葉に不安を抱かれる方もいるかと思いますが、この処置は口腔外科で行います。


この治療で、脱臼を起こしても動かせなかった歯は、歯列矯正以外の方法で対応する必要があります。その場合の治療方法は基本的に以下の2つです。


●アンキローシスの歯にかぶせものをして、歯の形を修正する

●抜歯してブリッジやインプラントを入れる


これらの治療を行うのは、アンキローシス以外の歯を歯列矯正で並べ終わった後です。


◼️まとめ

歯列矯正で歯が動かない時に不安を感じると思いますが、理由は人それぞれですので、歯科医院にて質問されることをおすすめします。


アンキローシスは非常にまれではありますが、歯列矯正にともなう代表的なリスクの1つですので、ぜひ知っておいていただきたいものです。


歯列矯正をスタートする際には、現在のご自身の状況や考えられるリスクを理解した上で、治療にのぞんでいただきたいと思います。


うえの歯科医院では矯正歯科に関わることをサポートしているのでよければお問い合わせください。