2020/05/14歯周病はどうやってうつる?うつさないためには歯磨きが大切?
皆様こんにちは!横浜市鶴見区にある歯医者さん!
インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜
歯周病治療のうえの歯科医院、歯科医師の米長です。
今回も歯周病についてです。
コロナウィルスに関連して“口腔衛生”が流行性感冒の感染性に関連しているのでは?といった内容が目につきやすくなりました。
擦り傷をつくってしまいそこが膿んでしまったことありますよね。傷がつくと細菌は体に侵入しやすいんです。
詳しくは私の前回の記事をご覧いただければと思います。
さて、今回は歯周病がどうやって“うつる”のか。
■歯周病になる原因
■歯周病はどうやって“うつる”?
■歯周病をうつさないために
■歯周病になる原因
これまでも読んでくださった方には復習になりますが、歯周病の原因からお話させていただきます。
口の中では600種類以上の細菌が生活しています。その細菌が生活する場が歯垢(しこう)です。プラークとも呼ばれます。
この歯垢1mgの中には1億から2億もの細菌が生活しているとされています。
あまりに多くて想像が出来ませんが、
数字にすると1億=100,000,000・・・日本人の人口が1億2千万人ですから、歯垢1mg中に日本人の全人口が住んでいる
そんな風に思うとすごい数ですね。
細菌も生活の為に食事をします。食事をすると代謝(消化)して排泄します。
またその排泄物も他の細菌に代謝され排泄されます。またそれが・・・
そんな風に繰り返されるなかで増殖していきます。
細菌の代謝物は酸性で維持されます。すると体は酸によって破壊されていきます。
体には新陳代謝があるので、傷ついた体は剥がれ落ち、新しく作られます。
また体は抵抗するために免疫機能も持っています。が、プラークから常に細菌が供給されてしまうと新陳代謝も免疫機能も間に合わなくなってしまいます。これが歯周ポケットです。
細菌に体が負けると、歯周ポケットが形成されます。すると細菌は生活の場が増え、さらに増殖していきます。
◇歯周病の増悪因子となる習慣 喫煙/ストレス/食習慣/睡眠
・喫煙:タバコには発癌性物質が含まれている事もさることながら、喫煙時の熱も身体を傷つけます。体の再生力を低下させ免疫力も低下します。タバコを吸う人は歯周病にかかりやすく、進行しやすく、治りにくいです。
・ストレス:過度なストレスで免疫力が下がるとも言われています。また緊張状態では唾液(つば)が減ります。唾液(つば)の中にも抗菌物質がありますし、乾燥を防ぐことで口の中を保護しています。唾液(つば)が減る事で細菌の数が増え体は傷つきやすくなります。
・食習慣:1日の間に、食事以外で食べ物や飲み物を何回口に入れるでしょうか?その飲み物や食べ物がむし歯・歯周病を進行させているかも?間食のたびに歯ブラシをされる方はあまりいないかと思います。口の中に物が入ると“食物残渣(しょくもつざんさ)”が残ります。目に見えないものも含めて、食物残渣は細菌の大好物。細菌は一気に増殖します。
・睡眠:睡眠の短い人は免疫力が低下することが知られていますし、睡眠の質はストレスとも関連しています。また、睡眠時は口の中が乾燥しやすくなります。口腔内の乾燥は細菌の増殖につながります。
■歯周病はどうやって“うつる”?
風邪やインフルエンザ、コロナでも飛沫感染の対策としてマスクをしますよね。マスク、実は歯周病の感染も予防できるかもしれません。なぜなら、歯周病も唾液(つば)を介して感染するからです。むし歯も歯周病も細菌感染症ですので、色んな所に感染の機会があります。対面して話しているだけでも唾液(つば)は飛沫します。飲み会やカラオケでも、歯周病、うつっているかも?
◇愛犬・愛猫からの感染
あるセミナーでこんな話を聞きました。
ある患者さんが言ったそうです「うちは家庭内別居だし生活リズムが違うから顔も合わせない。なのに必ず風邪がうつるんだ」と。
理由は飼っていた犬だったそうです。家庭内別居でも犬にはキスをしていたご夫婦は間接キスで風邪をうつしていたんです。
また、犬がかかりやすい病気の中に実は歯周病があるんです。むし歯と歯周病は犬が最もかかりやすい病気ともいわれているそうです。
そして驚くことに、犬や猫から検出される細菌種(株)は飼い主と同じ細菌種(株)だそうです。
上に書いた患者さん、風邪だけでなく歯周病もうつし合っていそうですね・・・。
◇食事で感染する 赤ちゃんにも
家族で食卓を囲んで食事、幸せな光景の一つですね。
飲み会での鍋も楽しみの一つです。けど、その中に、歯周病が潜んでいるかも。
会話をすれば唾液(つば)が飛びます。食事についた唾液(つば)から感染します。もちろん唾液(つば)が直接、口に飛んでしまうこともありますよね。
家庭によっては半分かじってシェアすることもあるかもしれません。昔は歯ブラシもみんなで使っていたという話も聞いたことがあります。鍋料理で“じか箸で”なんてこともありますよね。赤ちゃんには噛み与える家庭もまだあるようです。
患者さんから聞いたところでは「おじいちゃんが赤ちゃんに噛み与えて困る」という話も。この場合は歯周病に限らずあらゆる感染症の危険がありますから、免疫力の低い高齢者から免疫力の低い赤ちゃんへの噛み与えは特に避けた方がいいかもしれません。
■歯周病をうつさないために
◇歯ブラシ 言わずもがなですね前回も書いた内容ですが、感染するためには細菌の数が必要です。
細菌を全く無にすることは残念ながら不可能です。しかし数を減らすことは可能です。
それが歯ブラシですね。歯ブラシで歯垢(プラーク)を除去することで細菌の数を減らすことができます。
歯には3大不潔域と言われる部位があります。
①歯と歯茎の間 ②歯と歯の間 ③歯の噛む面 です。この3部位をしっかり磨くことが重要です。
時にはフロスや歯間ブラシの併用が必要です。
風邪をひいたときにまず自分がマスクをするように
歯周病をうつさない為に、まず歯磨きです。家族や友人、同僚にも、マスクと同じで、歯ブラシを勧めるのはいかがでしょうか。
◇歯科定期検診
歯石は細菌の塊りですが歯ブラシでは取れません。除石(スケーリング)も細菌の数を減らすのに必要です。
定期的にむし歯のチェックと歯周病の管理は、歯を残していくために必要とされています。
■まとめ
コロナ禍によって感染症に対する恐怖心が認知されつつあります。
一方で、歯周病が感染症であるという事はまだ周知されていないように感じます。
歯周病は慢性疾患ですので症状は殆どありません。
コロナであれば、感染しても発症せずに、知らぬ間に感染を広げている、という状態かもしれません。
コロナは知らない間に治ってしまいますが、歯周病は治療を受けずに治ることがありません。
コロナやインフルエンザよりも感染者数が多く、治療を受けなければ治らない・・・
歯周病って怖くありませんか?
うえの歯科医院では歯周病の治療だけでなく、予防も行っています。
しばらく歯医者にいっていない、歯周病かもしれない?というかたはぜひご相談ください。