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2024/06/20口腔機能発達不全症とは?トレーニングや診断基準、改善方法を紹介!

皆様こんにちは!

横浜市鶴見区にありますインプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜歯周病治療のうえの歯科医院歯科助手・管理栄養士兼トリートメントコーディネーターの高岡です。


【口腔機能発達不全症】という言葉は耳にしたことがありますか?

近年お子様の口腔機能発達不全症というものが問題になっています。私たちが何気なく行なっている食べる、話す、呼吸などの機能は、小さい頃に獲得した技術です。それが発達段階で、上手に成長できないことにより、さまざまな影響を及ぼしています。

今回はこの口腔機能発達不全症についてご紹介します。

口腔機能発達不全症とは?トレーニングや診断基準、改善方法を紹介!

■口腔機能発達不全症とは

口腔機能発達不全症とは一体どのような状態なのでしょうか。


口腔機能発達不全症は、先天性の疾患などがない健常児において、「食べる・話す・呼吸」などの機能が十分に発達していない、もしくは正常な機能を獲得できていない状態を指す疾患です。


発達不全をそのままにしてしまうと、正しく咀嚼ができなかったり、滑舌が悪くなってしまったり、風邪をひきやすくなってしまったりと生活していくのに困る症状に繋がってしまいます。そのため、口腔機能発達不全症に早めに気づき対応していくことが大切です。




▫️口腔機能発達不全症の症状

口腔機能発達不全症の症状としては、以下のようなものが挙げられます。


◆食べる機能

・よくむせる

・喉に詰まらせやすい

・嫌がる食べ物が多い

・食べこぼしが多い

・咀嚼が苦手でなかなか飲み込めない

・丸呑みする


◆話す機能

・発音が不明瞭(舌足らず、省略してしまうなど)

・鼻声

・構音が遅い

・どもる


◆呼吸機能

・口呼吸(口ポカン)

・いびき

・睡眠時無呼吸症候群


以上のような症状が一つでもある場合は、口腔機能の発達が上手くできていない可能性があります。今後のお子様の成長にも関わるため早めに歯科医院に相談をしましょう。

しかしながら口腔機能発達不全症の認知度はまだまだ高くありません。今後、こういった口腔機能発達不全が疑われた場合は歯科医院に相談するという流れが一般化していくことが望ましいとされています。




▫️口腔機能発達不全症の原因とは?

それでは、なぜ口腔機能発達不全症が起きてしまうのでしょうか。その原因をみていきましょう。


口腔機能発達不全症の原因は、以下のようなものが考えられます。


◆お口周りの癖

・指しゃぶり

・舌突出癖(通常、離乳が進むと徐々になくなります)

・頬杖をつく

・口を開けておく


◆筋力不足

・舌の筋力

・唇の筋力

・頬の筋力


◆感覚機能の問題

・口の中の感覚が鈍い

・舌の位置感覚が鈍い


◆顎関節の異常

・顎関節脱臼

・開口障害




▫️口腔機能発達不全症の治療ではどんなことができる?

改善が好ましい口腔機能発達不全症ですが、治療としては、原因となっている問題を見極め、それに対応する改善方法を行うことが重要です。具体的には、以下のようなことがあります。


*口腔習癖の改善

お口周りの癖が原因の場合は、その悪い癖を治していきます。


*筋力トレーニング

お口周りの筋力が低下している場合は、お口周りの筋トレを行います。歯科医院の指導のもと行いましょう。

また筋肉の発達にはたんぱく質が必要不可欠です。食事内容も見直しましょう。


*感覚機能訓練

舌や指先で口の中を触れたり、歯ブラシで歯を磨いたり、固さの異なる食品、温度の異なる食品を食べたりすることで、お口の触覚や圧覚、温度覚などを鍛えます。


*顎関節治療

矯正治療や手術をすることにより、顎関節を正しい位置に戻す治療を行います。



口腔機能発達不全症は、早期発見・早期治療が重要です。気になる症状があれば、小児歯科を受診しましょう。



■口腔機能発達不全症の診断基準とは

それでは、口腔機能発達不全症はどのように診断を行うのでしょうか。

診断基準は以下のとおりです。


◆対象

・生後6ヶ月以上5歳未満の小児

・明らかな摂食嚥下機能障害の原因疾患を有さない方


◆診断

以下の項目において 2つ以上の該当項目があるものを、「口腔機能発達不全症」と診断します。離乳完了前ではC1〜C8を1つ含む必要があります。

口腔機能発達不全症とは?トレーニングや診断基準、改善方法を紹介!

■口腔機能発達不全症のトレーニングとは

うちの子、口腔機能発達不全症かも?と思った方は、まず歯科医院に相談が必要です。

ですが、お家でできるトレーニングもあります。大人でも口腔機能が低下してくる方も多くいらっしゃいますので、ぜひ親子で一緒にやってみてくださいね。



◆あいうべ体操

あいうべ体操というトレーニング方法もあります。

舌圧を鍛えることと、お口ポカンを防止し、口呼吸を抑制することができます。


口を大きく「あ~」「い~」「う~」「べ~」と動かす体操です。


①“あ~”と言いながら口を大きく開く。

②“い~”と言いながら口を横に広げる。

③“う~”と言いながら口をすぼめる。

④“べ~”で舌を思い切り前に出す。

①~④までを1セットとし、これを大きな動きをしながら,ゆっくり10回程度繰り返します。

運動ですから、できるだけ大げさに行った方が効果的です。

一度に行うのは10セット程度で、1日30セット程度を目安に行います。


起床後やお食事前に行って血流をよくしてから、食事をすることで、口周りが動きやすくなったり、消化促進も期待できます。



◆顔の体操

・ほっぺたを膨らませたり、引っ込めたりする。

・舌を上下左右に動かしたり、回したりする。

・目をぎゅっと閉じたり、開けたりする。

・ストローで風船を膨らませる。

・20~30分間、ガムを噛む。


以上のようなトレーニングはお家でも簡単にできます。ぜひ楽しくやってみてくださいね。

トレーニングのポイントは毎日コツコツと続けることです。無理のない範囲で、楽しくトレーニングしていきましょう。

症状に合ったトレーニング方法を知るには、歯科医院や言語聴覚士への相談が有効です。




▫️まとめ

今回は口腔機能発達不全症についてお伝えしました。

軟らかい食べ物が増えていたり、マスク生活が長引いている影響もあり、大人の方でも口腔機能が十分に発達していない方は非常に増えています。

大人も子どもも美しいフェイスライン、美しい発音、食べ方を獲得できるよう、トレーニングをしてみてください!

うえの歯科医院では口腔機能発達不全症に関するサポートを行っています。ぜひご気軽にご相談ください。


うえの歯科医院 診療案内

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