ブログ

2021/08/12実は子どもが怖かった

皆様こんにちは!横浜市鶴見区にある歯医者さん

インプラントのヴェリタスインプラントサロン横浜

歯周病治療のうえの歯科医院、歯科医師の米長です。



今回は、こどもについてです。


今では治療に来てくれた子どもともお話が出来ますが

実はもともと、子どもって苦手だったんです。


いまでは子どもの治療が出来るようになったのは

どんなきっかけからだったのか、お話しします。


実は私、親戚といえる人が殆どいなくて

子ども、特に5歳以下の子供と接する機会が

歯科の臨床実習で小児歯科の実習を受けるまで

殆どありませんでした。


あったと言えば小学生の時友達の下の兄弟と

遊んだくらいで、その時は自分も子供でしたから

何にも気にせず遊ぶことが出来ました。


しかし実習の頃になってみると

もう別の生き物の様な感覚でしたね。

なんで泣いてるのか分からない

何を話しているのかわからない

なんで笑っているのか分からない


まるで異世界人です。


しかし、実際に診療を始めるとそんなのでは困るわけで。

はじめは緊張しながら、色んなことを試していました。

本を読んだりして勉強したこともありましたが

実践は、効果を感じませんでした。

子どもが持ってるものを見てアニメをみたり

YouTubeをみたり。

どうにか子どもの治療ができる様にと考えてました。

が、やっぱり実際には、変化を感じられませんでした。


子どもを緊張させるばっかり。


しかし、ある時から考え方を改めました。

それは、異世界人だと思う事をやめる事です。

どうにか理解しようとか、なんとか治療しようとか

そう考えるのをやめました。


どうしたかというと

ひとりの人として接するように接するようにしました。


本人にしっかりと目を見て挨拶をする。

治療する内容を本人と確認して、一緒に治しましょうと伝える。


それだだけでも治療ができる様になりました。


そして、子どもも治療をしたいんだ、という事を知りました。

泣きじゃくってできない子どもも

頑として口を開けてくれない子どもも

「ホントは治したいんだけど怖いんだよね?」

そう聞くとゆっくりとうなずいてくれます。

その反応で、また考え方が変わりました。


いま治すことがこの子の治療ではない。

これから治療できるようになることが、この子の治療だ。

そう思うようになりました。


成人の方で、歯科治療が恐怖で受けられない方が

ほんとうにたくさんいます。

治療を受けることが良い事だ、困った時には歯医者さんに聞けるんだ。


そう思ってくれることが、その子の人生に

とても大きなメリットになることが分かったのです。


そして、あるお子さんに出会って声掛けが変わりました。


そのお子さんは、治療がとても出来ていました。

私は「よく出来たね」と声をかけてしまいました。

しかしそのお子さんは「なにも出来なかった」

としょんぼりした顔で答えました。


ほんとうに驚きました。治療が出来たのに、なぜ?と


その子は、治療の最中、怖くて手を動かしてしまったそうです。

それを「なにも出来なかった」と表現したのです。

その子は治療が怖くて何度もトレーニングをしてくれた子でした。

はじめて治療ができたはずなのに、「なにも出来なかった」になってしまいました。

私はもう一度横に座りなおして、出来たことを一つひとつ数えました。

診療室に入ってくれたね、椅子に座ってくれたね、椅子を動かしても寝転んでいてくれたね

口を開けてくれたね、ライトをつけさせてくれたね、鏡を入れさせてくれたね・・・

全部を数えてこんなに出来たんだよ。と

それでも彼はしょんぼりとしていました。これではいけないと

「怖かったのにこんなに頑張ってくれたんだね。たくさん頑張ったね。」

そう言うと彼は嬉しそうに頷いてくれました。


彼に気付かせてもらいました。

それまでの練習は、彼に出来ないと思わせるばかりだったのです。

「上手に出来たね」という声掛けが、上手でないといけないと思わせてしまっていたのです。


必要なのは「頑張ったね」だったのです。

例え出来なくても、子どもは本心ではやりたいと思っているのです。

けど、環境が、機械が、音が、怖くてできないのです。


それからは声掛けを変えました。


医院に来てくれたね、頑張ったね

診療室を覗けたね、頑張ったね

中に入れたね、頑張ったね

椅子に座れたね、頑張ったね

今日は一人で座れたね、頑張ったね

歯を見せてくれたね、頑張ったね

口を開けてくれたね、頑張ったね

先生に口の中を見せてくれたね、頑張ったね


味方によっては、治療のできない子、かもしれませんが

頑張っている事は事実です。

目を見て、ありがとう、頑張ってね、また来てね


子どもと関わることが出来るようになったのは、

頑張ったね、と言えるようになった時からだと思います。


子どもも、喜んで通ってくれるようになったように感じます。

治療はできなくとも。


お母さんお父さんはきっと、早く治療を進めてほしいと思っていると、そう思いますが

一生の為に、いま急いではいけないんですと伝えると、理解してくださることが殆どです。


もどかしい気持ちだとは思いますが

先月まで怖くて歯医者に行けなかった子が、歯医者さんに行きたいと言ってくれる事も

少なくありません。


どうかご理解いただけたらと、思います。


うえの歯科医院では歯医者さんに慣れる練習も行っています。

気になる方はぜひご相談ください。

【ブログ監修者】


医療法人VERITAS うえの歯科医院 

理事長 上野友也


1993年 鶴見大学歯学部卒業

1995年 東京医科歯科大学歯学部医員研修医終了

1996年 鶴見大学第三補綴学講座臨床専科生

2000年 アストラテックインプラントベーシックコース修了

2002年 うえの歯科医院設立

2004年 医療法人ヴェリタスオーラルケアセンター設立

2008年 OSIインプラントアドバンスコース修了

2008年 JIADSペリオコース修了

2009年 JIADSエンドコース修了

2010年 JIADS補綴コース修了

2010年 JIADSペリオ&インプラントアドバンスコース修了

2012年 ニューヨーク大学CDE在籍


• 所  属

国際インプラント学会(ICOI)会員

日本顎咬合学会会員

財団法人プロスピーカー協力アシスタントプロスピーカー

OSI会員

JIADS会員

厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医

鶴見大学歯学部附属病院共同診療医

済生会東部病院共同診療医

横浜労災病院共同診療医

日本歯周病学会

日本臨床歯周病学会

日本口腔インプラント学会

鶴見大学歯学部歯周病学講座