2020/01/05歯肉マッサージは歯ブラシを活用すると効果的?歯周病の予防にも繋がる?
皆さまあけましておめでとうございます!鶴見区にある歯科医院!インプラントヴェリタスインプラントサロン横浜、歯周治療のうえの歯科医院で歯科衛生士の鶴巻です★
あっという間に2020年になりました。
本当にあっという間に...
インフルエンザが猛威を奮っていますが、
皆さまいかがお過ごしでしょうか?
連休が続き、明日から仕事始めの方も多いと思います。
そんな今日は、体調不良や疲労が溜まった時に起こりやすい、歯茎の炎症についてお話ししたいと思います!
・歯周病とは?!
歯周病は永久歯が失われる原因の第 1 位になっている恐ろしい病気なのです...
いつまでも自分の歯で何でも食べるには、歯周病対策がものすごく重要なんです!
歯周病は歯ぐきや歯を支える骨(歯槽骨)に起こる炎症で、歯周病は軽度の歯肉炎 と重度の歯周炎に分けられます。
炎症が歯ぐきにだけ起こっている状態を歯肉炎と言い、歯肉炎のときは適切に歯磨きをすれば、元の健康な歯ぐきに戻る可能性が高いんです!!!
炎症が歯槽骨にまで及ぶと,歯周炎と呼ばれるます。歯周炎は炎症によって骨が吸収し, 骨吸収が進むと歯がぐらぐらして揺れ始め、噛むと痛かったりします。歯周炎になると歯磨きで治すことはできないので、歯科医院での治療が必要となります。
国の最近の調査(図1)によると,20 歳代の 2 人に 1 人が歯肉炎になっていて、50 歳代以上では 3 人に 1 人が歯周炎になっています!
これは衝撃なんです...
虫歯は減っているのに歯周病が増えていて、
歯を失って...だから予防が大事なんです!
・歯周病の効果的な予防、治療法としての歯肉マッサージ?!
歯周病の原因はデンタルプラーク(歯垢)に含まれる細菌です。そのため、デンタルプラークを取り除くことが歯周病の予防・治療の第 1 の目標とされてきました。そして、これまでの歯周病治療においては、原因であるデンタルプラークを取り除き、その後は組織が自然に治癒していくことを期待していました。
ただ!最近の研究はやはり、進んでいて、歯磨きでの歯肉炎改善効果が、プラーク除去よりもマッサージによる歯肉の活性化によることが明らかになったんです!
例えば歯ブラシによるデンタルプラーク除去と 歯肉マッサージは、歯石をとる器具による徹底的な歯垢除去よりも、接合上皮(歯肉を細菌から守るためにある歯肉の中の上皮)の細胞の増殖を 2 倍以上増加させることが分かっているそうです!つまり!歯肉マッサージは上皮のターンオーバー(細胞の入れ替わり)を促進し、炎症で壊された接合上皮の修復を促すことが推測されます。
接合上皮の下にある結合組織では、歯ブラシによるデンタルプラーク除去と歯肉マッサージで、器具によるデンタルプラーク除去よりも炎症性細胞浸潤(炎症が起こると出てくる白血球の集まり)が減るスピ ードが速まり、線維芽細胞(歯肉の主成分であるコラーゲン線維を作る細胞)の増殖が 1 週目から約 2 倍になり、線維芽細胞によるコラーゲン合成が 5 週目から約 2.5 倍増加する こともわかっています。
結合組織でみられたこの変化(炎症性細胞の浸潤の減少 →線維芽細胞の増加 →線維芽細胞によるコラーゲン合成)は。一般的に組織が傷つけられた時の治癒の流れと同じです。そのため、上記の研究の結果から、歯周病の原因と言われているデンタルプラークを取り除き、組織の治癒を待つよりも、デンタルプラークを歯磨きで取り除くとともに、歯ブラシで歯肉マッサージを行うことによって、歯周組織の治りが明らかに早まるこということなんです!
歯ブラシによる歯肉マッサージは、デンタルプラーク除去のみよりも、治りが早くなるんです。
・効果的な歯肉マッサージの条件
効果的に歯肉マッサージをするために、最適な力と時間が存在するのかを検証した研究もあり、その結果、約 200 グラムの力で、1 か所 20 秒間振動を加えてマッサージするのがよいらしいです(図4)!
約 200 グラムの力は、例えば鉛筆で紙に書いた文字を消すゴムで軽く消すくらいの力くらいです。1 か所 20 秒間歯肉マッサージをすると、永久歯すべて(親知らず 4 本を除いて、永久歯は 28 本)を歯磨きをすると、だいたい 10 〜15 分かかります。逆に 3 分間歯磨きを行ったとしても、1 か所あたりのマッサージ時間は10 秒以下になり、この程度のブラッシングではマッサージ効果は期待できません...
20秒間歯と歯茎に歯ブラシが当たれば、デンタルプラークもいつも以上に落ちます!
さらに歯磨きの頻度についても研究では、1 日 2 回もしくは 1 日 1 回の歯磨きでは、接合上皮細胞や線維芽細胞の増殖が 4 週目や 8 週目からみられましが、2 日に 1 回の歯磨きでは、接合上皮細胞については 12 週たっても増殖の促進がなく、線維芽細胞では 12 週目でやっと増殖の促進がみられました(図5)。この結果から、歯肉に炎症がある場合には 1 日に 2 回の歯肉マッサージを行うと炎症の治りが早くなること、歯肉に炎症がなければ 1 日に 1 回の歯肉マッサージで健康な歯肉が維持されやすいということでした!
最低1 日に 1 回、デンタルプラーク除去に歯肉マッサージを加えた歯磨きを行って、歯肉を活性化し、歯周病を予防し、歯の喪失を防止し、多くの方が年齢を重ねても、何でも好きなものを食べて豊かな生活を送っていただきたいなぁと感じます。
今年もたくさんの歯と自分の歯を守るぞー!と決意した1月5日のブログでした☆
うえの歯科医院では一人ひとりに合わせた歯磨きの仕方をお伝えしています。
「磨き方がわからない」「どのグッズを使えばいいの?」と疑問に思っている方はぜひご相談ください!